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Instagram(インスタグラム)をはじめとするSNSの運用は、企業にとって「対消費者」の取り組みです。そのため、SNSを戦略的に運用するには「消費者のリアルな声」を把握すること、つまり「ソーシャルリスニング」が欠かせません。
そこで今回は、ソーシャルリスニングに焦点を当て、概要から把握できること、実施するメリット、おすすめのツール、一般的な流れまでご紹介します! ソーシャルリスニングに取り組んでSNSを戦略的に運用しましょう。
消費者の投稿を分析!ソーシャルリスニングとは
ソーシャルリスニングとは、Instagram(以下 インスタ)やX(旧Twitter)などのSNS、ブログ、口コミサイトなどで発信されている消費者の声を収集し分析して、自社の商品やサービスのブランディングに活かすマーケティング手法のことです。
SNSやブログ、口コミサイトで発信されているさまざまな情報が対象となるため、商品やサービスはもちろん、広告や顧客対応など、幅広い領域で役立てることができます。
ソーシャルリスニングが注目されている理由は?
消費者の声を聞くことは、今も昔も企業活動を円滑にする上で重要な取り組みです。では、なぜ今ソーシャルリスニングが注目されているのでしょうか。
一昔前までは、消費者の声を聞く方法として「アンケート調査」が主流でした。対象となる属性の消費者に企業または調査会社からの質問に答えてもらうことで、必要な数の情報(データ)を集めるという手法です。
基本的にはアンケート調査でも有益な情報を得ることができますが、どうしても「企業発信の調査」という側面があるため、消費者が身構えてしまい、正直な意見を収集するのは極めて困難でした。
そんななか、インスタやX(旧Twitter)などのSNSが登場し、消費者は自らの意見や感情を世間に向けて自由に発信できるようになりました。つまり、SNSにこそ企業が求める「消費者のリアルな意見」があるのです。
この背景から誕生したのが、ソーシャルリスニングです。SNSにおける消費者の自由な発言をキーワードに基づき分析するため、フィルターや制限のないリアルな意見を収集することができます。また、その意見を知ることで、SNS運用をはじめとする今後のマーケティング戦略を最適化していくことも可能です。
個が尊重され、さまざまな嗜好や意見が存在する今、消費者に寄り添ったマーケティングが重要視されています。それを実現する手法として、今ソーシャルリスニングが注目されていると考えられます。
ソーシャルリスニングで何がわかる?把握できる5つのこと
ソーシャルリスニングに取り組んだ場合、企業は以下の5つについて把握することができます。
1.業界の動向
ソーシャルリスニングを通して消費者の声を収集・分析すると、業界の動向が見えてきます。具体的には、トレンドの商品やサービス、業界に対する消費者のニーズなどを把握できます。
これらの情報は、先を見据えた商品・サービスの開発、そして新規市場の開拓などに活かせるため、自社のビジネスをより軌道に乗せやすくなるでしょう。
このほか、SNSでの業界に関する投稿数の増減も読み取れます。投稿数が多かった場合はキャンペーンを実施するなど、積極的にアプローチすることで高いエンゲージメントを得られる可能性があります。
2.企業・ブランドのイメージ
ソーシャルリスニングでは、自社やブランドのイメージを把握することもできます。「消費者は自社にどういうイメージを持っているのか」「自社の商品やサービスにどのような価値を感じているのか」「自社のSNSをどう評価しているのか」などを確認できるため、商品やサービスの改善のほか、SNS運用の見直しなどにつなげることができます。
3.消費者のニーズ
ソーシャルリスニングを行えば、消費者のニーズも把握できます。
たとえば美容室を経営しており、自社に対して「カットはいいけどカラーが物足りない」という口コミがあったとしたら、そこには「カラー技術の向上が求められている」「色の種類の増加が求められている」というニーズが隠れていると読み取れます。
このように、SNSでリアルな声を発信している消費者は多いため、顕在的のみならず潜在的なニーズも把握することが可能です。
4.施策の成果・評価
インスタでキャンペーンを実施したり、広告機能「投稿の宣伝」を利用したりした際にソーシャルリスニングを行えば、それぞれの施策の成果・評価を確認できます。「どれほどの効果があったのか」「どういうユーザーに響いたのか」などを把握できるため、次の施策を最適化しやすくなります。
5.潜在的なリスク
ソーシャルリスニングでは、自社の商品やサービスに対するマイナスな意見や、風評被害につながりかねない発言などに出会うこともあります。これらを事前にチェックしておけば、リスクをある程度想定できるため、先回りして対処しやすくなります。
具体的には、商品やサービスを説明する文章を変更したり、リスクを回避するためのプロモーションを実施したりすることで、自社へのダメージを回避できます。
戦略的なSNS運用を実現!ソーシャルリスニングのメリット
ソーシャルリスニングのメリットには、主に以下の3つが挙げられます。
1.調査バイアスがかかっていない声を収集できる
消費者の声を聞く手段には、アンケート調査やユーザーインタビューなどがあります。これらは効率よく消費者の声をヒアリングできる一方で、調査バイアスがかかるという問題点があります。たとえば、得られる回答が「調査実施者が立てた仮説の範囲内」「消費者の記憶・顕在意識の範囲内」に限られるというケースが考えられます。
その一方で、ソーシャルリスニングでは調査バイアスがかかっていない「生の声」を収集することが可能です。調査実施者の仮説や消費者の記憶・顕在意識による影響を受けないので、より本音に近い意見をヒアリングできるでしょう。
2.低コストですぐに大量のデータを収集できる
ソーシャルリスニングの舞台となるのは、インスタやX(旧Twitter)などのSNS、ブログ、口コミサイトなどです。これらの媒体では、世界各国の何万人もの人たちの会話が、無料で公開されています。そのため、低コストですぐに大量のデータを収集できる点は、ソーシャルリスニングならではのメリットといえるでしょう。
3.広範囲の情報を収集できる
ソーシャルリスニングの場合、自社と関連性が低い情報も収集可能です。たとえば、消費者の趣味嗜好や興味関心、生活スタイルのほか、競合ブランドや業界全般に対しる意見なども確認することができます。
マーケティングにおいて、広範囲の情報を収集できることは大変有益なので、戦略的なSNS運用を実現しやすくなるでしょう。
4.ブランドイメージを把握できる
消費者がSNSで発信している意見のなかには、商品やサービスに関するものだけでなく、自社そのものやブランドのイメージに関するものもあるでしょう。
そのため、ソーシャルリスニングを通して、企業は現在取り組んでいるブランディング活動の成果を確かめることができます。もし、自社と消費者が持つブランドイメージに乖離がある場合は、その違いを解消するための次なるブランディング活動へと早めに取り組むことが可能です。
ソーシャルリスニングに役立つ!おすすめの3つのツール
ソーシャルリスニングをするにあたって役立つツールには、以下の3つがあります。
1.Googleトレンド
Googleトレンドは、特定のキーワードの話題性を簡単に調べられるツールです。期間を絞ったり国を指定したりすることもできるため、必要なデータだけを収集することができます。
「自社の業界は今どれほど注目されているか」「自社のブランドの話題性はどうか」などを確認できるため、消費者のリアルな声を把握する際の前準備として活用するとよいかもしれません!
2.Yahoo!リアルタイム検索
Yahoo!リアルタイム検索は、特定のキーワードがTwitterでどれほどツイートされているかを確認できるツールです。検索窓にキーワードを入力する、またはトップページの「トレンド」にあるキーワードをクリックすることで、ツイート数やその推移、ツイートの感情の割合を確認できます。
自社の企業名やブランド名を入力して、どのような声がTwitterにあがっているか確認してみましょう!
3.Instagramインサイト
Instagramインサイトは、フォロワーのデータ(年齢や性別、地域など)とコンテンツのパフォーマンスを確認できる分析ツールです。どのようなフォロワーがいるのかわかれば、「フォロワーと同じ属性のユーザー」に絞ってソーシャルリスニングを行うことが可能になるため、自社に興味を持つであろうユーザーが何を思い、何を求めているのか把握しやすくなります。
戦略的なSNS運用の第一歩!ソーシャルリスニングの一般的な流れ
ソーシャルリスニングは、一般的に以下の流れで進めていきます。
1.目的を明確にする
まずは、ソーシャルリスニングの目的を明確にしましょう。具体的には「何のために行い、得た結果をどのように活かすか」を決めておくことが大切です。
ソーシャルリスニングの目的の例には、たとえば「ブランドマネジメント」「トレンドの把握」などがあります。
2.どのようなデータが必要かを明確にする
次に、ソーシャルリスニングでどのようなデータを得たいか明確にしましょう。そうすることで、次の「3.調査対象のメディアを選定する」を楽に行えます。
3.調査対象のメディアを選定する
調査対象のメディアを選定する際のポイントは、「そのメディアに求めている情報があるか」「信頼性の高い情報か」「リアルタイムの情報か」の3つです。
たとえば、自社商品に対する消費者の意見を幅広く収集したい場合はX(旧Twitter)がおすすめです。ほかのメディアに比べて気軽に投稿できるので、さまざまな意見がリアルタイムで発信されています。
調査対象のメディアは、単に「人気があるから」「たくさんの情報が集まる」からという理由で選択するのではなく、「ソーシャルリスニングの目的の達成につながる情報を収集できる」という理由で選ぶようにしましょう。
4.データを収集する
調査対象のメディアが決まったら、求めている情報に関連するキーワードで情報を収集します。もし、想定していた情報量を確保できなかったり、求めている情報を得られなかったりした場合は、調査対象のメディアとキーワードを再検討しましょう。
5.データを分析する
最後に、ソーシャルリスニングで得た情報を分析します。
たとえば、得た情報の内容が「ポジティブなのか」「ネガティブなのか」を確認するのがおすすめです。ネガティブな内容の場合は商品やサービスに改善の余地があるということになるので、どう対処するか検討する必要があるでしょう。
ソーシャルリスニングで消費者のリアルな声を知り、戦略的なSNS運用に
ソーシャルリスニングを行って消費者のリアルな声を知ることは、先を見据えた商品・サービスの開発や新規市場の開拓、そしてSNS運用の最適化を図る上で重要です。
とくにSNSは企業の意向で運用しがちですが、商品・サービスと変わらずSNSも消費者を対象とした取り組みです。そのため、ソーシャルリスニングを通して得た消費者の声を参考にしながら、戦略的に運用していく必要があります。そうすることで、より多くのユーザーに届くSNSに近づけるでしょう!
なお、ソーシャルリスニングを行ってInstagram(インスタグラム)運用を最適化する場合は、インスタ専門運用システム「Slooooth」の利用がおすすめです!
Sloooothではアカウントや投稿に関するさまざまなデータを、自ら検証することなく簡単に確認できます。そのため、ソーシャルリスニング後の運用にどれほどの効果があったのかを一目で把握できます。また、1クリックしたあと5分待つだけでレポートを作成することも可能です。
ソーシャルリスニング後にインスタ運用を改善した際の効果検証に役立つので、ぜひこの機会に利用を検討してみてください。